昨今、さまざまな場所で耳にするSDGs。
大人の私たちは何となく理解しているものの、子どもから「SDGsって何?」と聞かれるとうまく説明できないのではないでしょうか。
本記事では、親が子供にわかりやすくSDGsを説明できるよう解説し、小学生でも取り組める方法をご紹介します。
SDGsとは?
SDGsを一言でいうと「持続可能でより良い世界を目指す開発目標」のことです。
2015年に国連サミットで採択され、17の目標と169個のターゲットで構成されています。
小学生にもわかるように説明するなら「この地球で、世界中のみんながよりよく暮らし続けるために取り組む目標」と伝えるとわかりやすいでしょう。
小学校では、2020年度から「新学習指導要領」にSDGsに関する内容が追加されているため、授業で勉強している小学生も増えています。
学校で聞いただけではなかなか日常に取り入れるのは難しいですが、家庭でSDGsについて話したり、親子で取り組んだりできれば、よりSDGsを身近に感じられるのではないでしょうか。
SDGs17の目標と5つのP
SDGsには、問題を解決するために17の目標が掲げられています。
さらに、17の目標の中には169個のターゲットがあります。
この17の目標を5つのグループに分けると、よりわかりやすくなります。
それが「5つのP」です。
People(人間)
貧しさをなくし、すべての人の人権が尊重され、平等で健康に暮らせる世界を目指します。
Prosperity(豊かさ)
自然と調和しながら、経済的に豊かで安心できる生活を目指します。
Planet(地球)
自然と共存しながら限りある資源を管理し、深刻な気候変動への対応を通して、地球の環境を守ることを目指します。
Peace(平和)
平和、公正で、争いのない世界を目指します。
Partnership(パートナーシップ)
世界が一緒になって助け合い、協力することで、さまざまな問題に取り組みます。
SDGs、小学生でもできることって何?
そうは言ってもしょせん遠い世界の話のようで、小学生にできることなんてないと思っていませんか?
そんなことはありません。
私たちが何気なく過ごしている日常の中にもSDGsに関わることはたくさんあります。
小学生はまず、普段の生活のなかで「できること」を見つけましょう。
電気、水道、ガスの無駄使いに気を付ける
貢献できる目標
電気、水道、ガスの無駄使いに気を付けることは、地球の大事な資源を守ることにつながります。
・テレビや照明をつけっぱなしにしない
・昼間はなるべく自然光を利用する
・エアコンの設定温度を変える
・歯磨きや手洗いの時、水を止める
当たり前のような小さなことの積み重ねでも、みんなで協力することで大きな効果を生むことができます。
家族で話し合い、ゲーム感覚で節電・節水に取り組むのもおもしろいですね。
食材は使い切り、残さず食べる
貢献できる目標
世界中では9人に1人が十分な食事が取れず栄養不足で苦しんでいる中、たくさんの食品が廃棄されています。
農林水産省によると、日本では1年間に612万トン=東京ドーム約5杯分の食品が廃棄されているそうです。
この深刻な食品ロスをなくすこともSDGsにつながります。
一人ひとりが食べきれる量を把握し、もし残ってしまったものは家族で分け合ったり、楽しみながらリメイク料理したり。
家庭菜園で野菜作りをすることも食べ物の大切さやありがたみを学べ、残さず食べようという気持ちになるのでおすすめです。
まだ使えるものは大切に使う
貢献できる目標
現代はとても便利で、お店もたくさんありますし、ネットを使えばすぐに買い物ができてしまいます。
そのため、いらなくなったらすぐ捨てて、また新しいものを買うということを気軽にしてしまいがちです。
でも「捨てる」ということは「ゴミを増やす」ということ。ゴミが増えると、処理するためにたくさんのCO2が排出され、地球温暖化の原因ともなります。
まだ使えるものは大切に使い、リサイクルできるものはリサイクルする。
万が一捨てる時も、しっかりと分別をすることで地球を守ることに繋がります。
いじめをしない
貢献できる目標
外見や出身地で差別をせず、みんなと仲良くすることも立派なSDGsです。
「みんなちがって、みんないい」という言葉もあるように、自分とまわりの人たちはみんな違います。
小学生の時から、それぞれを受け入れ認め合うことを自然にできるようになれば、世界がもっとやさしくなれるでしょう。
小学生が遊んで学べるSDGs
小学生がより楽しくSDGsに取り組めるよう、遊びながら学べるアイテムがたくさんありますので、いくつかご紹介します。
親子で試してみてはいかがでしょうか。
お笑い芸人と学ぶSDGsババぬきカードゲーム
時事YouTuber、お笑いジャーナリストなどとして活動されているたかまつななさんが考案したババ抜きカードゲーム。
基本はババ抜きのルールですが、世界で起きている問題を考えさせられる仕掛けがなされていますので、遊びながらSDGsを学べます。
ただ遊ぶだけではなく、さらに学びを深めることができるワークシートやガイドブックが付録として付いているのもうれしいポイントです。
SDGsかるた
わかりやすい絵札と、リズム感のある読み札で、自然とSDGsが身につくかるた。
裏面には、数字を交えわかりやすく世界の現状が解説されていて勉強になります。
同じシリーズの「すごろく」もあります。
こどもSDGs★なぜSDGsが必要なのかがわかる本★
こちらは「遊び」ではありませんが、小学生がSDGsを学ぶのにはおすすめです。
すべての漢字にふりがなが振ってあり、かわいいイラストや図で解説されているので、小学生でもとても読みやすいです。
大人でも勉強になるので、親子で一緒に読んでみてはいかがでしょうか。
SDGsは親子で楽しみながら取り組もう!
現代の日本では「何不自由なく暮らせているから自分には関係ない」と考える子供もいるでしょう。
しかし、一人ひとりの意識を変えるだけで、世界の遠く離れた誰かを助けたり、さらには未来の自分を救うことに繋がります。
SDGsの取り組みは、日常でできる小さな積み重ねからはじまります。
まずは家族で話し、意識していくこと。
小さなことから1つずつ、親子で楽しみながら取り組んでいきましょう。