オーガニックコスメといえば「肌にやさしい」というイメージですが、SDGsが普及してきた現代では「環境にもやさしい」という側面が注目を集めています。
本記事では、オーガニックコスメがどのようにSDGsに貢献しているのかを解説します。
化粧品と環境汚染の現状
私たちが毎日使っている化粧品は、自分をより輝かせてくれる頼もしい存在です。
しかし、私たちのキレイの裏側で、環境に負荷が掛かっていることをご存知でしょうか。
紫外線吸収剤による海洋汚染
夏に限らず一年中必須アイテムとなっている日焼け止めの中に配合されている「オキシベンゾン」「オクチノキサート」など紫外線吸収剤は、珊瑚の死滅の原因になると言われています。
海洋生物の4分の1が珊瑚をすみかにしており、珊瑚がなくなると海の生態系のバランスが崩れてしまいます。
珊瑚の白化による影響がおよぶのは海だけではありません。
二酸化炭素の循環機能を担う珊瑚の白化が進行すると、地球環境全体が深刻なダメージを負ってしまいます。
深刻なマイクロプラスチック問題
マイクロプラスチックは、ポイ捨てされたプラスチック製品が細かくなったものだけではありません。
私たちが普段使用している化粧品にもマイクロプラスチックが使われています。
肌の角質を除去するためのスクラブや洗顔料、なめらかさやツヤ感を出すファンデーションや口紅などメイクアップアイテムにもマイクロプラスチックが含まれているのです。
洗い流されたマイクロプラスチックは、小さすぎるため下水処理されず海へ流されていき、海の生態系に大きな影響を及ぼす危険性があるとされています。
このままいくと2050年には、マイクロプラスチックが魚の量を超えるとも言われており、早急な対策が必要とされています。
オーガニックコスメが貢献しているSDGsの目標
オーガニックコスメは、生産・製造過程から消費にいたるまでSDGsの取組みに大きく貢献しています。
これが肌だけでなく「環境にもやさしい」理由。
ここではオーガニックコスメが貢献しているSDGsの目標をご紹介します。
「14.海の豊かさを守ろう」
「6.安全な水とトイレを世界中に」
オーガニックコスメは、紫外線吸収剤やマイクロプラスチックを使用していないため、生活排水として処理しきれない化学物質が海へと流されることを防ぎ、海洋汚染を防止します。
「12.つくる責任 つかう責任」
「13.気候変動に具体的な対策を」
「15.陸の豊かさも守ろう」
植物や果実、鉱石類など天然由来の成分でつくられているオーガニックコスメは、自然界へ循環させることができます。
また、パッケージ資材にも、植物由来の原料を使用したバイオマスプラスチックや、微生物によって分解される生分解性プラスチックなどの再生可能な資材を使用しているブランドが多数あります。
製造過程だけでなく、輸送や廃棄時のCO2の排出量をも減らすことで地球温暖化の防止に貢献しているのです。
オーガニックコスメを使ってSDGsに取り組もう
ここでは、私たち個人でもできるオーガニックコスメを使用したSDGsへの取り組みをご紹介します。
国際認証を取得したブランドを選ぶ
日本には「有機JASマーク」など食品に対する認証機関はありますが、オーガニックコスメを認証する機関がありません。
そのため、成分の一部のみオーガニック原料を使用しただけで「オーガニックコスメ」と謳っている「なんちゃってオーガニックコスメ」も少なくないのです。
海外では「エコサート」や「コスメビオ」「コスモス」など、厳しい基準で定められたさまざまな認証がありますので、これらのオーガニック認証マークを基準に選ぶようにしましょう。
購入したコスメは最後まで使い切る
せっかく環境にやさしいオーガニックコスメを購入しても、使い切らずに捨ててしまっては元も子もありません。
とくにアイシャドウや口紅などのカラーアイテムは、最後まで使い切らないこともあるのではないでしょうか。
カラーアイテムを使い切ることができなくなった場合は、パレットで色を混ぜて新しい色を楽しんだり、お子様がいらっしゃる方はお絵描き道具として使用したりするのもおすすめです。
容器のリサイクルプログラムに参加する
使い終わった容器を回収して新たな製品に生まれ変わらせるリサイクルプログラムを実施しているブランドが多数あります。
容器を持っていくことで、ポイントが付与されたり、値引きされたりなどの特典がある場合もあるので積極的に利用してみましょう。
万が一、リサイクルに持っていく前に中身が残ってしまっていたら、化粧水など液体であってもそのまま水道に流さず、新聞紙や布でふき取ったり染み込ませて捨てることが大切です。
まとめ
私たちをキレイにしてくれるだけでなく、地球にとってもイイことだらけのオーガニックコスメ。
肌と地球が持つ本来の美しさを取り戻すべく、積極的に取り入れていきたいですね。
オーガニックコスメを使ってSDGsへの一歩を踏み出しましょう。